記事作成日:2025年2月26日
ヒトメタニューモウイルス感染症とは?原因や症状、予防法について解説
近年、冬から春にかけて流行することが増えている「ヒトメタニューモウイルス感染症」。
乳幼児や高齢者を中心に感染が広がりやすく、風邪やインフルエンザと症状が似ているため注意が必要です。
今回は、ヒトメタニューモウイルス感染症の特徴や症状、感染経路、予防法について解説します。
ヒトメタニューモウイルスとは?
ヒトメタニューモウイルス(Human metapneumovirus:hMPV)は、2001年に発見された比較的新しいウイルスです。
主に冬から春先にかけて流行し、乳幼児や高齢者、基礎疾患を持つ人に感染しやすいのが特徴です。
RSウイルスと同じパラミクソウイルス科に属し、呼吸器系に感染して炎症を引き起こします。
感染経路と流行時期
ヒトメタニューモウイルスは、主に飛沫感染や接触感染によって広がります。
感染者の咳やくしゃみの飛沫を吸い込んだり、ウイルスが付着した手や物を触れた後に口や鼻に触れると感染します。
日本では毎年2月から5月ごろに流行する傾向がありますが、年によっては流行時期が前後することもあります。
主な症状
ヒトメタニューモウイルス感染症の症状は、風邪やRSウイルス感染症と似ています。
特に乳幼児や高齢者では重症化することもあるため、注意が必要です。
主な症状には以下のようなものがあります。
- 発熱(38度前後の熱が数日続く)
- 咳や鼻水
- 喉の痛み
- 喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難(特に乳幼児)
- 食欲不振
- 全身倦怠感
症状の多くは1週間程度で自然に回復しますが、重症化すると肺炎や細気管支炎に進行することがあります。
特に免疫力が弱い乳幼児や高齢者、基礎疾患のある人では注意が必要です。
診断方法
ヒトメタニューモウイルス感染症は、症状だけでは他のウイルス感染症と区別が難しいため、必要に応じて医療機関で以下の検査が行われることがあります。
- 鼻咽頭ぬぐい液を使ったPCR検査
- 抗原検査(施設によって実施)
また、肺炎や細気管支炎が疑われる場合には、胸部X線検査などが実施されるケースもあります。
治療方法
現在、ヒトメタニューモウイルスに特効薬はありません。
基本的には対症療法が中心となり、症状を和らげるために以下のような処置が行われます。
- 解熱剤や鎮咳薬の使用
- 水分補給や安静
- 呼吸困難がある場合は酸素吸入
乳幼児や高齢者、持病がある方の場合は、早めの受診が重要です。
特に、息苦しさや顔色が悪い、呼吸が早いなどの症状が見られる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
ヒトメタニューモウイルス感染症の予防策は?
ヒトメタニューモウイルス感染症を予防するためには、日頃からの感染対策が重要です。
以下の対策を徹底し、感染リスクを減らしましょう。
- 手洗い・うがいをこまめに行う
- マスクの着用(特に人混みでは有効)
- 定期的な換気と加湿でウイルスの活動を抑える
- 免疫力を高める生活習慣(栄養バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動)
また、感染が疑われる場合は早めに医療機関を受診し、周囲への感染拡大を防ぐために自宅で安静に過ごすことも大切です。
免疫力を高めてヒトメタニューモウイルス感染症を予防しよう
ヒトメタニューモウイルス感染症は、風邪やインフルエンザと似た症状が多く、特に乳幼児や高齢者では重症化のリスクがある感染症です。
飛沫感染や接触感染によって広がるため、日頃からの手洗いやマスク着用、免疫力を高める生活習慣を心がけることが予防の鍵となります。
冬から春先にかけての流行シーズンには、感染対策を徹底し、健康管理に十分注意しましょう。
監修
あなぶきヘルスケア
事業部長 喜田 康生
平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。
現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。