記事作成日:2024年11月17日
2024年12月2日から!マイナ保険証の導入と今後の課題について
2024年12月2日から「マイナ保険証」の利用が本格的に始まります。
従来の保険証に代わり、マイナンバーカードを保険証として使用することで、医療サービスの効率化や手続きの簡素化が期待されています。
しかし、この新しいシステムには課題も多く、医療機関や市民からの困惑の声が上がっています。
今回は、マイナ保険証の導入背景や今後の受診の流れ、さらに現状の課題についても解説します。
「マイナ保険証」が導入された背景について
マイナ保険証の導入は、医療現場や行政手続きをデジタル化し、利便性を向上させることが主な目的です。
これにより、患者の基本情報や過去の診療歴、処方履歴などを医療機関が迅速に把握できるようになることが期待されています。
また、保険証の紛失や有効期限の確認などの問題が軽減されるとされています。
しかし、個人情報の取り扱いや、インフラ整備に伴うコストなど、解決すべき課題も多くあります。
マイナ保険証の利用方法と受診の流れ
まず、マイナ保険証を利用するためには、以下3つの方法で登録作業を行います。
- 医療機関・薬局の窓口等にある「顔認証付きカードリーダー」で
- マイナポータルにログインして登録申請する
- 全国のセブン銀行ATMから初回登録申請する
医療機関・薬局の窓口等にある顔認証付きカードリーダーで登録する際は、顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置き、画面に沿って手続きをします。
マイナポータルにログインできれば、「マイナンバーカードを健康保健証として利用する」にチェックを入れるだけで登録申請ができます。
詳しい申請方法はこちらを参照してください
登録が完了すると、マイナンバーカードを健康保険証として使用できます。
登録後は、病院や薬局での受付時にマイナンバーカードを提示し、専用端末にタッチするだけで、保険証として認識されるようになります。
マイナ保険証での受診の流れ
マイナ保険証は、以下のようなステッカーやポスターが貼ってある医療機関・薬局で利用できます。
まず、受付にあるカードリーダーを利用します。カードリーダーにはさまざまな種類があるので、注意してください。
- カードリーダーにマイナンバーカードを入れます。
- 顔認証、もしくは暗証番号にて本人確認を行います。
- 過去の診療や薬情報を医師等に伝えるか、同意事項を選択します。
- (40歳以上の方)健診情報を医師等に伝えるか、同意事項を選択します。
- カードを取り出し、受付終了
上記までは、通常の受付です。
高額療養費制度を利用する場合は、5の手順でカードは取りださず、画面に映し出されている「高額療養費制度を利用」を選択します。
上記のように、受診時には、病院の受付でマイナンバーカードを読み取り機にかざすことで、診療や薬の処方などの手続きをスムーズに進めることが可能です。
患者の基本情報や診療履歴がデジタルで管理されるため、医師は迅速に患者の情報にアクセスでき、診療時間の短縮や医療の質の向上が期待されています。
【マイナ保険証】香川県の利用登録状況について
2024年6月時点で、マイナンバーカードの保険証利用登録状況は、全国平均でみると79.4%。
香川県では市町国保加入者の約65.7%(登録者数10.9万人/被保険者数16.6万人)が登録しています。
香川県のマイナンバーカードの保有率は75.7%で、全国平均(74.0%)をやや上回っていますが、保険証利用登録率においては全国水準に及んでいません。
また、県内医療機関では導入率が94.8%と高い水準に達しており、運用環境は整備されています。
これにより、住民への普及促進が課題であると考えられます。
2024年2月頃、香川県の開業医らでつくる県保険医協会が実施したアンケートによると、8割を超える医療機関が「今の健康保険証は残すべき」としていたそう。
しかし、マイナ保険証の利用開始日に差し迫った11月現在、多くのクリニックで整備が整っていることがうかがえます。
マイナ保険証導入のメリットとデメリット
マイナ保険証の導入によって期待されるメリットには、以下のような点が挙げられます。
- 患者情報のデジタル管理により、診療の効率化が可能
- 過去の診療履歴が一元化され、医師がより適切な診療を提供できる
- 保険証の紛失時も、マイナンバーカードで対応可能
- 将来的には健康診断や予防接種履歴も一元管理が可能
一方で、デメリットや課題も少なくありません。
- 個人情報漏洩のリスクが懸念される
- システム導入にかかる費用が医療機関にとって負担となる
- 高齢者やITリテラシーが低い人にとって利用が難しい
- システムトラブル時に医療サービスに支障が生じる可能性
マイナ保険証に関連する個人情報保護の強化は最も重要な課題です。
医療データは非常にセンシティブであり、不正アクセスや情報漏洩のリスクが高まります。
そのため、国や医療機関はセキュリティ対策を徹底し、不正アクセスを防ぐ体制を整備することが求められています。
もうすぐマイナ保険証の利用開始!普及に向けた取り組みが急務
マイナ保険証の導入は、医療のデジタル化を進め、より効率的な医療サービスを提供するための大きな一歩です。
しかし、現場の混乱やシステムの課題も多いのも実情としてあります。
患者や医療関係者が安心して利用できるよう、政府や自治体の支援が不可欠です。
マイナ保険証の普及にあたり、個人情報保護や高齢者支援、医療機関への設備投資支援を強化し、安心で安全な医療サービスの提供を期待しています。
監修
あなぶきヘルスケア
事業部長 喜田 康生
平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。
現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。