記事作成日:2024年8月20日
コロナの現状と今後。保険適用になる場合とならない場合の自己負担
新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が始まってから、私たちの生活は大きく変わりました。
これに伴い、医療や保険制度におけるコロナ対応の自己負担額や保険適用についてもさまざまな変更が行われました。
今回は、現在のコロナに関する自己負担額や保険適用の状況、そして今後の展望について解説します。
2024年夏・新型コロナウイルスの感染状況について
2024年夏現在、新型コロナウイルスは第11波を迎えています。1医療機関あたり14.58人の新規感染者数を記録していて12週連続で患者が増加傾向にあります。
2024年8月の時点でわかっているのは、新型コロナの潜伏期間は2~4日間、長くても7日間はあることです。
ワクチン接種や感染対策の徹底により重症化リスクは低下していますが、感染予防策の緩和によって再度の感染拡大が懸念されています。
コロナ関連医療費の自己負担額
コロナに感染した際の医療費について、2020年のパンデミック初期に感染者数が急増した際は、政府は医療機関に対して手厚い支援を行い、多くのコロナ関連医療費が公費で賄われていました。
そのため、コロナウイルスに感染した場合、患者が支払う自己負担額はほとんどなかったといえます。
しかし、2023年以降、政府の方針が変更され、コロナが「感染症法上の2類相当から5類相当に引き下げられた」ことにより、自己負担額が増加することとなりました。
これにより、インフルエンザと同様に、通常の保険診療における自己負担が発生するようになったのです。
保険適用となるケース
令和6年4月1日以降、新型コロナウイルスは5類感染症として扱われています。
そのため、新型コロナウイルスに感染した場合、診断や治療に必要な医療行為は、基本的に保険適用となります。
これには、PCR検査や抗原検査、また重症化リスクの高い患者に対する治療薬の投与などが含まれます。
たとえば、治療薬である「レムデシビル」や「モルヌピラビル」といった薬剤は、保険適用の対象となり、患者は通常の医療費の一部を負担する形になります。
また、入院が必要となった場合には、入院費用も保険適用となりますが、この場合も通常の医療費と同様に自己負担額が発生します。
ただし、高額療養費制度が適用されるため、一定の自己負担限度額を超える部分については、公費による補助が行われます。
この制度により、患者が支払う医療費の上限が設定されており、大きな経済的負担を軽減することが可能です。
. 保険適用とならないケース
一方で、保険適用とならないケースもあります。
たとえば、コロナに感染していない人が予防のために受けるPCR検査や抗体検査、または感染リスクの低い方が受けるワクチン接種などが該当します。このような場合、医療費は全額自己負担となります。
また、治療に関しても、たとえば特定の治療法や医薬品が保険適用外とされるケースもあります。
海外へ渡航する際に陰性証明書が必要となる場合に、検査機関にて検査を受ける場合も基本的に自費となります。
全額自己負担となる診察もあるため、事前に費用について確認しておくことが重要です。
新型コロナウイルス感染症の今後の展望
コロナに関する保険適用や自己負担額の問題は、今後も変動する可能性があります。政府や保険会社は、今後の感染状況や医療体制の変化に応じて、対応を見直すことが予想されています。
今後新しい変異株の出現したり、それに対する新たなワクチンや治療薬が開発されたりした場合、それらの医療行為に対する保険適用や自己負担額が再度検討されることになるでしょう。
特に、パンデミックが収束に向かう一方で、コロナウイルスが季節性インフルエンザのように長期的に存在する場合には、一般的な医療制度に組み込まれる形での保険適用が進む可能性があります。
しかしながら、経済活動の停滞がしてしまうことのリスクなどを考慮すると、日本政府がそのような政策を取る可能性は2024年8月時点ではとても低いのではないかといえます。
日本の政策は緩やかにワクチンのブースター接種や新治療薬の開発や承認に向かいそうですが、以前のようには経済的なサポートは無く、助成金などは減少していく流れにあるのではないでしょうか。
コロナに関わる受診が保険適用かそうでないかは事前に確認しておこう
新型コロナウイルスに関する自己負担額や保険適用の問題は、個人の経済的負担に直結する重要なテーマです。
現時点では、基本的な診断や治療に対しては保険適用が行われ、自己負担額も一定の範囲に抑えられていますが、今後の感染状況や医療体制の変化により、対応が見直される可能性はあります。
自分自身や家族がコロナに感染した場合に備え、最新の情報を常に確認し、必要に応じて適切な医療機関を受診することが大事です。
また、保険適用外の医療行為や治療に関しても、事前に費用を確認し、必要な対策を講じることが、経済的なリスクを軽減する鍵となるでしょう。
監修
あなぶきヘルスケア
事業部長 喜田 康生
平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。
現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。