記事作成日:2024年7月25日
光化学オキシダントとは?健康への影響と注意報の発令基準
近年、地域の電光板などで「自家用車の使用は控えてください」などのアナウンスを見かけることがあります。
これは「光化学オキシダント」の影響でアナウンスされているのですが、まだ知らない人も多いかもしれません。
その体調不良は、ただの熱中症ではない可能性があります。
そこで今回は、光化学オキシダントについて解説します。
光化学オキシダントとは?
光化学オキシダントとは、自動車や工場・事業場などから排出される窒素酸化物、揮発性有機化合物(相称VOC)などが、太陽からの紫外線をうけ、光化学反応を起こし生まれる物質のことです。この光化学オキシダントの濃度が高くなり、空が白工「もや」がかかったような上体を光化学スモッグと呼びます。
この光化学スモッグにより、目やのどの痛みが出てくるのが問題とされています。人間のみならずアサガオの葉に斑点ができる、ケヤキ・ポプラなどが落葉するなど自然にも影響が出ます。地域の放送などにより「光化学スモッグが発生しています」と流れることがありますが、実はこの光化学オキシダントが光化学反応を起こしたものが光化学スモッグの正体です。
光化学オキシダントにおける健康への影響
代表的な健康への影響は主に以下のようなものがあります。
- 目がチカチカ、ショボショボする
- 涙が以上に出る
- のどが痛む
- 咳が出る
このように健康への被害に関しては主に目やのどの粘膜に対する被害が報告されています。体の弱い子どもや高齢者の方はとくに注意が必要です。
光化学スモッグ注意報が出た場合には、できるだけ屋外での運動は避けて、屋内へ入ることが大切です。目やのどなどに異常を感じたら、水道水などで洗眼やうがいを行い、屋内で安静にしましょう。そして、症状が酷く治らない時には早い対処が必要です。かかりつけの医師などに目やのどなどの状態を診てもらいましょう。
また、この光化学スモッグによる症状ですが、夏場ですと外で遊ぶ子どもが身体の不調を訴えることから熱中症と混同してしまうこともありそうです。もしかしたら光化学スモッグによる目やのどの痛みからくる不調かもしれません。どのような症状なのか見極めて対処することが大切です。
オキシダント濃度が高くなりやすい気象条件
オキシダント濃度が高くなり光化学スモッグになる原因として、以下のような条件があります。
- 日射が強い
- 気温が高く最高気温が25℃以上
- 風が強く4m/s以下
- 大気が安定
オキシダント濃度が濃くなるのは気温が高い夏場に多いです。夏場はこの光化学スモッグによる影響ももちろんのことですが、水分不足や暑い日差しによる熱中症リスクもあることから、気温が高い日は屋外での行動は控えて屋内で涼しく過ごすと安全です。
光化学オキシダント注意報等の発令基準
光化学オキシダントの濃度レベルに応じて「注意報」「警報」「重大警報」を発令し、学校など公共施設及び、インターネットを通じてお知らせされています。
注意報の発令基準
1時間値が0.12ppm以上となり、気象条件からみて大気汚染の状態が継続すると認められるとき。
警報の発令基準
1時間値が0.24ppm以上となり、気象条件からみて大気汚染の状態が継続すると認められるとき。
重大警報の発令基準
1時間値が0.4ppm以上となり、気象条件からみて大気汚染の状態が継続すると認められるとき。
このように光化学オキシダントの状況に応じて警報が発令されますので、警報が出たら屋内で過ごしましょう。
光化学オキシダント注意報が出たら
光化学オキシダント注意報が出たら
- 外出を控え、屋外での激しい運動は避ける
- 窓を閉めて、できるだけ屋内で過ごす
- 目やのどに痛みを感じたら、洗顔、洗眼、うがいをする
- 光化学スモッグによる症状が回復しない・ひどいときは医師への診察を受ける
なお、地域によっては光化学オキシダントの原因物質(窒素酸化物)の排出を抑えるために、自家用車の使用は控えるようにアナウンスされることもあります。昨今では夏の日差しによる気温はとても高く、熱中症リスクも重なることから一番暑い時間帯はなるべく外出をしないことが大切です。
また、仮に外出をしたりスポーツなどで屋外で行動する場合も、水分をこまめにとるなどして健康状態を確認しながら活動しましょう。万が一、健康被害があった場合は、市役所や町役場、保健福祉事務所に連絡しましょう。
まとめ
地域でアナウンスされる光化学オキシダント(光化学スモッグ)注意報、改めて知識を得るとたいへん有害なものだということがわかります。
自動車や工場など、私たちの暮らしが成り立つうえで必要な事柄によってこれらの有害物質がまき散らされていると思うと複雑な心境になりますね。光化学オキシダント注意報が出た時には、屋内で過ごし、目やのどなどに痛みを感じたらすみやかに目を洗い、症状がおさまらなければ医療機関を受診してください。
また、この光化学スモッグが最も頻発に発生する暑い時期は熱中症リスクが高いこともあるので、屋外での行動やスポーツなどを極力控え、水分をこまめにとり自分自身の健康状態に敏感になることが大切です。
監修
あなぶきヘルスケア
事業部長 喜田 康生
平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。
現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。