記事作成日:2023年3月7日
スギ花粉が過去10年で最多!季節性アレルギー性鼻炎について
2023年2月28日、花粉の飛散が急増。その量は過去10年で最多とも言われています。
同年3月7日時点でも、中国地方では大量のスギ花粉が飛散する中で、わずかながらヒノキ花粉が飛び始めた所もあるようです。
日本気象協会によると、スギの花粉とヒノキ花粉とともに、その飛散量予測は例年の1.5~2倍にもなると発表しています。
春の陽気な日差しが差し込み、寒さも和らいだところに花粉の飛散…。
季節性アレルギー性鼻炎に悩む人も年々増加しているようです。
そこで今回は、季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)についてお話ししたいと思います。
そもそも季節性アレルギーってなに?
季節性アレルギー性鼻炎とは、俗に言う花粉症です。
植物の花粉が原因で、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどといったアレルギー症状を引き起こします。
今年、多く飛散しているスギ花粉が原因でアレルギー症状を引き起こしている場合は、スギ花粉症と呼ばれています。
時期によって飛散する花粉が異なり、アレルギー性鼻炎(花粉症)を発症したことがある人でも、花粉の種類によっては反応しないことも。
冬の時期は1年を通して花粉の飛散が最も少ないシーズン。
とはいえ、スギやイネなどは冬でも少量の花粉を飛散させており、一年を通して花粉の飛散がゼロになることはないとも言われています。
日本人の3人に1人はスギ花粉症!
今や日本人の3人に1人はスギアレルギー性鼻炎(花粉症)と言われています。
環境省の統計によると、アレルギー性鼻炎(花粉症)の有病率は
【1998年 19.6%|2008年 29.8%|2019年 42.5%】
と、10年ごとに約10%増加しているのが分かります。
スギ花粉症も同様、2019年には38.8%と、ほぼ3人に1人がスギ花粉症に悩まされているようです。
参考データ:環境省【花粉症環境保健マニュアル2022】
日本人にスギ花粉症が多い理由
日本人にこれだけのスギ花粉症が増えた背景には、戦後の歴史が関係しています。
かつて、焼け野原になった日本を復興するために、日本全国でたくさんのスギが植栽されました。
木は樹齢30年程経つと花粉を多く産出するようになります。
全国各地で植栽されたスギが30年を迎える1960年代、花粉の飛散が多くなり、1970年代には多くの人がスギ花粉症を発症することとなったのです。
今もアレルギー性鼻炎(花粉症)が増えている理由
今も年々増加の一途をたどる花粉症患者。
スギ花粉に限らず、さまざまな花粉に悩まされている人は多いでしょう。
花粉症患者の増加は、花粉の飛散量の増加だけが原因ではありません。
・スギ花粉は地面に吸収されない
近年のアレルギー性鼻炎(花粉症)は、自然が豊かな地域に限らず、スギ林は身近な存在ではない都心でも増加しています。
実は、花粉は飛散しても土の地面に吸収されるという性質を持ちます。
しかし、アスファルト舗装が多い都心の場合、飛散した花粉はなかなか吸収されず、風と共にいつまでも飛散した状態になってしまうのです。
結果、花粉を多くの人が吸い込んでしまい、アレルギー性鼻炎(花粉症)を引き起こしています。
・大気汚染の影響
アレルギー性鼻炎(花粉症)患者の増加原因には、大気汚染も関係しています。
花粉は、排気ガスや大気中の汚染された物質とくっついた状態で吸い込むと、よりアレルギー症状を引き起こしやすくなるのです。
さらに、純粋に花粉を吸い込んだときよりも、アレルギー反応が強く出てしまうといいます。
そのため、自動車が多く通い、工場地帯などのそばで暮らす人は、アレルギー性鼻炎(花粉症)になりやすいといわれています。
・自律神経の乱れによる免疫力の低下
不規則な生活による睡眠不足やストレスは、自律神経が乱れてしまい、免疫力を低下させてしまいます。
今やスマートフォンやインターネット、SNSやサブスクの普及で、夜遅くまで起きている生活を送る若者は多いでしょう。
免疫力の低下は、アレルギー反応を引き起こしやすくします。
自律神経が乱れ、免疫機能が正常に働かなくなることで、アレルギー性鼻炎(花粉症)を引き起こしてしまうのです。
アレルギー性鼻炎(花粉症)を治す方法
アレルギー性鼻炎(花粉症)は、自然に治ることはないといわれています。
ただし、治らないからと何も対処しなければ、症状が悪化し、治療しても症状を抑えるのが難しくなっていきます。
アレルギー性鼻炎(花粉症)は、それぞれのアレルギー症状に適した治療薬の投与が有効といわれています。
一般的には、アレルゲンによる鼻の症状を抑える薬を使用しますが、 鼻づまりがひどい場合には、血管を収縮させる働きを持つ薬などを使用します。
自宅でできるアレルギー性鼻炎(花粉症)対策
アレルギー性鼻炎(花粉症)の基本的な対策としては【花粉に触れない・吸い込まない・取り込まない】ことが大切。
花粉が多く飛散する時期は、換気をすると花粉も室内に侵入してしまうのはもちろん、外出先から帰宅した際に、洋服に付着した花粉も一緒に室内へ入ってしまいます。
外出後は、
・玄関先で上着についた花粉を粘着テープなどで取り除く
・上着をリビングに持ち込まない
・帰宅したら手洗いうがいと一緒に、顔も洗う
などして、全身に花粉がついていることを意識した行動をとりましょう。
また、こまめに掃除機をかけたり、床を水ぶきするのも効果的です。
換気後は、ソファやカーペットなど布地に花粉が付着しやすいため、忘れずに掃除してください。
まずはできるだけ室内に花粉を入れないこと、侵入してしまった花粉を放置せず、素早く除去するようにしましょう。
それから、近年の空気清浄機には花粉を除去してくれるものも多くあります。
そういった電化製品の導入も検討してみるのもおすすめです。
辛いアレルギー性鼻炎、ひどい場合には治療も視野に
アレルギー性鼻炎(花粉症)を引き起こすと、仕事や家事の効率を低下させるだけでなく、学力や記憶力の低下も引き起こすと指摘されています。
実は初期療法で、アレルギー性鼻炎(花粉症)は本格的に花粉が飛散する前から薬を飲んでいれば、ピーク時の症状を和らげる効果が期待できることが分かっています。
初期療法を行えば、症状が出るのを遅らせたり、治まるまでの期間を短くしたり、症状を軽くする効果が期待できるといわれています。
どうしても辛い場合には、一度専門のクリニックなどで相談してみるのもいいでしょう。
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監修
あなぶきヘルスケア
事業部長 喜田 康生
平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。