記事作成日:2022年8月28日
知っておきたいPCR検査と抗原検査の違い
私たちの生活を脅かす新型コロナウイルス。身近な人が実は感染していた話などを聞くようになってきていませんか。
中でも、PCR検査や抗原検査について耳にする機会が増えました。
しかし、検査の違いについてはいまいち理解できていない人は多いはず。
今回は、知っておきたい新型コロナウイルス感染症に関わる検査方法について紹介しましょう。
新型コロナウイルス感染症の検査
私たちがよく暮らしの中で耳にする、PCR検査や抗原検査といったようなキーワード。
新型コロナウイルス感染症の主な検査方法としては、これら2つの検査方法が代表的なものになります。
これらのPCR検査と抗原検査はそれぞれ異なる検査方法です。
また、これら2つの検査方法に加えて抗体検査という方法もあります。
それぞれの検査方法の違いについて詳しく解説をしましょう。
■PCR検査
PCR検査は、検査したい新型コロナウイルスの遺伝子配列を専用の薬液を用いて増幅させる検査方法。
現在、新型コロナウイルスに感染しているのかどうかを調べる検査方法にあたります。
検査の所要時間が数時間かかり、抗原検査と比較をすると精度が高いのが特徴です。
このような新型コロナウイルスの検査を受けた方が良いケースは、発熱がある場合もしくは濃厚接触をした場合になります。
・検査方法
PCR検査の検査方法は、主に鼻咽頭を拭うか唾液を使用する検査方法です。
検体を検査機関に搬送して検査を実施するのが特徴。
PCR検査は新型コロナウイルスの確定診断に用いられます。
また、PCR検査の所要時間は約24時間から48時間。
渡航などの際の診断書の有効期限は72時間となっています。
・注意しておきたい点
PCR検査の注意しておきたい点は、専門のスタッフ・検査機関が必要不可欠になってしまう点です。
また、検査に伴う時間や費用がかかる点にも注意が必要になります。
■抗原検査
抗原検査は、タンパク質を元に検体を希釈しカセットに流す検査方法です。
現在の感染状況を調べるために行うもので、PCR検査に比べると精度が劣ってしまうのがネックな点です。
しかしながら、専門キットを使用することで安価に自分自身で採取が可能という点では利便性が高いと言えるでしょう。
・検査方法
抗原検査は、抗原検査キットを使用する検査方法。
鼻咽頭を拭うか唾液を使用するのが特徴であり、15分程度で検査結果が出ます。
抗原検査はPCR検査に比べて採取時のリスクが低いという点にも注目です。
なお、抗原検査の所要時間は約15分から30分。
渡航の際の診断書の有効期限は24時間となっています。
・注意しておきたい点
抗原検査の注意点は、PCR検査と比べるとより多くのウイルスが必要になり、PCR検査と比べると制度が劣ってしまう点です。
よって、抗原検査はPCR検査と組み合わせて活用されるパターンが多々見受けられます。
■コロナの検査には「抗体検査」もある
その他には抗体検査というものがあります。
抗体検査は、抗体検査キットを使用することにより過去の感染状況を調べる検査になります。
これにより、現在の交代の有無を調べることが可能です。
採取方法は、採血によるものになり、専門キットを使用することで自分自身で採取も可能。
所要時間は15分程度であり採取時の感染リスクは低いとされています。
ただし、抗体検査は過去の状況を調べるのに適した検査方法であり、今現在感染をしているのかどうかという判定には向かないのが特徴です。
新型コロナウイルス検査の使い分け
新型コロナウイルスの検査方法について、それぞれどのようなシーンに応じて使うのが効果的なのか。
新型コロナウイルスには症状の自覚がある場合と無い場合があります。
症状がある場合と、症状の無い場合、それぞれのシーンについて解説をしましょう。
・症状のある方の場合
発熱などの新型コロナウイルスの可能性がある症状が出ている場合には、PCR検査もしくは抗原検査を使用して新型コロナウイルスの感染検査をおこないます。
これらの検査の特徴は、検査を受ける人間が現在新型コロナウイルスに感染しているかどうかを確認するためのものです。
・症状がない方の場合
特に症状が無く新型コロナウイルスの抗体があるかどうかを調べる場合には、抗体検査をおこないます。
この抗体検査は、過去に新型コロナウイルスに感染したことがあるかを確認するためのもの。
抗体検査においては、ドラッグストアなどで抗体検査キットが販売されているため、自分自身で検査をすることができます。
新型コロナの感染は自宅でも検査できる
新型コロナウイルスの抗原検査キットを使用することにより、病院やPCR検査場に出向かなくとも自宅でも自分自身で新型コロナウイルスに感染しているかどうかを検査することが可能。
抗原検査キットは、鼻咽頭を拭うか唾液を使用するものが主たるもので、専用キットに付属されている綿棒を使用して検体を摂取。
そして綿棒に付着した検体を、専用の液体に漬けることによって判定ができます。
この抗原検査キットの入手方法は、主に薬局で薬剤師の説明を受けた上で購入をすることになりますが、新型コロナウイルスの蔓延状況に応じて、インターネットでの購入も解禁されています。
注意点としては、国が承認した体外診断用医薬品と表記されているものを購入すること。
抗原検査キットは、厚生労働省が認可したものを使用するのが正しい結果を得るうえで重要です。
表記の上での注意は「研究用」とされている抗原検査キットは、国が認めた体外診断用医薬品にはあてはまらないので使用の際には注意が必要です。
新型コロナウイルス感染症の検査のまとめ
新型コロナウイルス感染症の検査方法の違いについて解説をしてきました。
新型コロナウイルスはもう私たちの身近なものになりつつあり、いざという時には早急に検査を受ける必要があります。
PCR検査、抗原検査、抗体検査。それぞれの違いについて以下の表にまとめました。
PCR検査 |
抗原検査 |
抗体検査 |
|
目的(何のため?) |
現在感染しているか |
現在感染しているか |
過去に感染したか 抗体が既にあるか |
検体 |
鼻腔咽頭拭い液 鼻腔拭い液 唾液 |
鼻腔咽頭拭い液 |
血液 |
調べる内容 |
ウイルスの遺伝子 |
ウイルスのたんぱく質 |
血液中のたんぱく質 |
精度 |
少ないウイルス量で検出可能 |
一定以上のウイルスの量が必要になる |
|
検査実施場所 |
検査機関に搬送 |
検体採取場所 |
検査機関に搬送して実施 |
所要時間 |
1日 |
15-30分 |
2-3日 |
PCR検査の方がやや手間がかかるけれども抗原検査と比較すると精度が高く、抗原検査に関しては自分自身でもできるという点で手軽さに優れています。
しかし、検査の精度が落ちている可能性も否定できません。それぞれの利点を考慮して、上手く使い分ける必要があります。
また、検査にかかる費用は受けるクリニックや使用するキットはクリニックや販売店によっても異なることも知っておきましょう。
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監修
あなぶきヘルスケア
事業部長 喜田 康生
平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。