記事作成日:2022年8月16日

抗原検査キットのネット販売が解禁?背景には第7波の影響

2022年8月初旬、抗原検査キットがついにネット販売されるかもしれない、といった報道がありました。未だ収束が見えない新型コロナウイルス。第7波の動きにより、感染者数の拡大が止まらず、地域によっては過去最大の感染者数を更新しています。

重症者数や死亡者数は減少傾向にありますが、まだまだ安心はできません。新型コロナウイルスにもしも感染してしまった場合は、医療機関を受診するのも一つの手段ですが、自ら感染確認ができる抗原検査キットも流通してきています。

今回は、抗原検査キットの状況と、ネット販売の報道について紹介しましょう。
 

2022年8月、抗原検査キットのネット販売解禁?



新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べることができる抗原検査キット。これまでは、この抗原検査キットは医療用の商品に分類されていたので、薬局で薬剤師から購入することしかできませんでした。

しかし、2022年夏になり新型コロナウイルスの感染が急拡大。医療機関での検査に患者が殺到した結果、検査が受けにくい状況になっています。

このような社会背景から、抗原検査キットが医療用の商品として販売されている状況から打って変わって、インターネットでの販売を解禁する方向で政府は話を進めています。薬剤師による抗原検査キットの説明は、オンライン上で行うことが検討されているとのことです。

早ければ8月中に、なんらかの発表があるかもしれません。
 

背景には第7波で発熱外来ひっ迫が影響

この夏、再び新型コロナウイルスは感染拡大の一途を辿っています。統計情報によると、首都東京では1日に2万人から3万人のペースで新規感染者が発生。

その他の都道府県でも、数千人から1万人以上の感染者が発表されています。このような状況化を踏まえて、新型コロナウイルスの検査を望む人や、検査を必要とする人が増加傾向になりました。医療は感染者数の増加により、ひっ迫している状況です。

医療機関に新型コロナウイルスの感染者や受診者が増えすぎた結果、病床の数や受診する際の人手不足が叫ばれています。もしかしたら、自分は新型コロナウイルスに感染しているのではないかという心配がある患者さんも増加の傾向です。

そこで、自分で検査ができる抗原検査キットが注目を集めています。
 

抗原検査キットとは?検査で分かることと注意点



抗原検査キットとはそもそも何なのでしょうか。PCR検査と混同している人も少なくないでしょう。「抗原検査したら陰性だった」という人にも注意しなければならないこともあるのです。以下で解説しましょう。
 

・抗原検査キットで分かること

抗原検査は、新型コロナウイルスに限らず、ウイルスが持つ特有のタンパク質(抗原)を検出します。
特別な検査機器を使わなくても簡単に検査でき、短時間で結果が出るため、幅広く活用されています。
抗原検査キットを使えば、ウイルス感染をしていることが簡単に分かるのです。
 

・抗原検査キットの注意点

手軽にできる抗原検査ですが、注意点として陰性だったからといって油断をしないことが挙げられます。

検査結果が陰性だったからといって、安易にマスクを外したり手指の消毒の習慣を止めないことが大切です。

仮に陰性の検査結果が出たとしても、検体中のウイルス量が少ない故の陰性という結果かもしれません。

反対に、持病の薬やその日の体調の影響で偽陽性がでる可能性もあります。

まずは抗原検査で様子を見て、必要があれば医療機関へ受診しましょう。
 

抗原検査キットの使い方



一般的な抗原検査キットの使い方は以下の通りです。

①鼻からぬぐい液をとる
鼻の中を綿棒でぬぐいとります。この検体をとるという作業では、奥の方にグイグイと綿棒を指し込む必要があります。綿棒を鼻に2㎝ほど挿入、ゆっくりと5回転させてまんべんなく丁寧に鼻の中からぬぐいとりましょう。

②試料を抽出する
綿棒を検体処理液に浸し、検体を抽出します。綿球部分を挟み、抑えながら10回転ほどさせてください。綿球部分を握ったまま回転させるのではなくて、ギュッと握ってから少し力を抜いて回しましょう。

③判定を待つ
②で抽出した試料液を、反応カセットに定められた量を垂らします。試料液が少なすぎると偽陰性になってしまうこともありますし、試料液が多過ぎると判定時間である30分以内にラインが出てこないことや出るのが遅れて判定不能や偽陰性になってしまうことがあります。定められた量、定められた時間で検査をおこないましょう。
 

抗原検査キットで陽性が出たら


抗原検査キットを使用し、陽性の結果になった場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。まずは、かかりつけのお医者さんなど地域の身近な医療機関に電話で連絡をしてください。

もしも、かかりつけのお医者さんがいない場合や、夜間・休日には地域の新型コロナウイルス医療相談センターや医療相談窓口などが各地に用意されていますので、そちらに連絡をして頼ることが重要です。
 

・症状があっても陰性の場合

発熱がある、頻繁に咳が出る、その他の新型コロナウイルスと思われる症状が出ているのに抗原検査キットで陰性となった場合。もしかしたら、検査キットの使い方が誤っている判定ミスかもしれません。

発熱等の症状がある場合には、無理な出勤や通学をせずに、医療機関を速やかに受診するようにしましょう。
 

抗原検査キットは注意点をよく理解して使用しよう



抗原検査キットのインターネット販売開始のニュースについてお伝えをしました。

抗原検査キットのインターネットを利用した流通が進めば、より新型コロナウイルスの検査が容易になります。

抗原検査キットを利用する際には、抗原検査キットに付属されている説明書をよく読み、正しい使用方法に沿った形で検査をおこないましょう。

また、検査結果が例え陰性だからといって安心せずに、この新型コロナウイルスのパンデミックの事態が収束するまでの期間は、引き続き手指の消毒・対人間でのマスクの装着などの予防対策をおこなうことが大切です。
 

おすすめの関連施設のご紹介

■佐藤クリニック(香川県高松市)   ■アイファミリークリニック(香川県丸亀市)

■クリニック土佐久礼(高岡郡中土佐町)   ■やまじクリニック(岡山県倉敷市)
 

監修

あなぶきヘルスケア
事業部長  喜田 康生

 

平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。

 

 


関連記事・特集

2024年12月2日から!マイナ保険証の導入と今後の課題について >

今季大流行中のマイコプラズマ肺炎とは?症状や感染対策 >

医療現場におけるAIの活用について。現状と今後の期待 >

エムポックス(サル痘)とは?現状の問題点と日本での備え >

コロナの現状と今後。保険適用になる場合とならない場合の自己負担 >

光化学オキシダントとは?健康への影響と注意報の発令基準 >