記事作成日:2022年7月26日
新型コロナウイルス再拡大、4回目のワクチン事情。介護従事者を対象に
未だに猛威を振るう新型コロナウイルス。
2019年末に発生が発表されてから約2年半の期間において私たちの生活に大きな影響を及ぼしてきました。
そして2022年7月現在、感染が再拡大にあります。
このような状況で4回目のワクチンを打つことが急がれており、高齢者や基礎疾患を持っている方の追加接種はもちろんですが、この度、介護施設などで働く人達にも4回目のワクチンの対象となりました。
今回は、新型コロナウイルスの現状と、要介護者のワクチン接種事情についてまとめてみました。
新型コロナウイルスが再拡大の現状について
2022年7月、新型コロナウイルス感染拡大が第7波を迎えています。
新型コロナウイルスの第7波で主流となっているのは、変異株であるオミクロン株「BA.2」系統から、感染力がより強いといわれる「BA.5」系統。
「BA.2」から「BA.5」への置き換わりが進んでいる現状を「第7波」と考えられており、全国的に新規陽性者数は急激に増加しています。
感染が恐れられている基礎疾患を持っている方や、高齢者が主たる構成員である医療機関や福祉・介護施設でのクラスターの発生が私たちの課題です。
新型コロナウイルス、4回目のワクチン対象者
厚生労働省によると、主な新型コロナウイルスの4回目のワクチン対象者は、3回目接種又はそれに相当する接種から5か月以上が経過した下記のような方でした。
①60歳以上の方
②18歳以上60歳未満で、基礎疾患を有する方。
その他新型コロナウイルス感染症にかかった場合の重症化リスクが高いと医師が認める方。
その他に介護に関わる全ての人を対象に新型コロナウイルスのワクチンを接種するという流れが新たに出てきています。
岸田首相「介護に関わる全ての人を対象に」
これまでは、介護従事者の4回目の追加接種は、政府は積極的に行わない方針でした。しかし、この度の感染再拡大に伴い、介護に関わる全ての人を対象に4回目の追加接種を行う方針となりました。
新型コロナウイルスは人を介して感染していくので、介護従事者が感染していた場合には当然ながら介護施設にいる方々にも影響が出ることでしょう。
少しでも介護従事者による施設利用者への新型コロナウイルスによるリスクを抑えるということで、4回目の追加接種が動き始めています。
4回目のワクチン接種による効果
厚生労働省のホームページの発表によると、4回目のワクチンの効果は、感染予防効果自体は短期間しか持続しないと言われています。
しかし、重症予防効果は6週間経過しても低下せず維持されていたことと、死亡予防効果を示唆する報告が発表されています。
高齢者や基礎疾患を持つ方ほど重症化しやすい新型コロナウイルスに関しては、重症化リスクを下げるためにも可能な限り4回目のワクチン接種をした方が良いと言えるでしょう。
在宅要介護者のワクチン接種事情
在宅要介護者が居るご家族の方のワクチン接種は、各地域で様々な支援が行われています。
東京都目黒区では、家族等による送迎が難しい在宅要介護者等を対象に、タクシー代相当分の交通費を助成する取り組みなどを実施。
この件の支給対象者としては、
①要介護認定(介護度1から5)を受けている高齢者等のうち在宅の高齢者
②要介護認定を受けていない者で以下に該当するもの
ア)身体障碍者手帳 総合等級3級以上所持者
イ)愛の手帳所持者
自宅から会場までの往復タクシー料金相当を支給する旨の通知・申請書が、支給対象者のうち60歳以上の方および18歳以上の手帳所持者に郵送されます。
このように、在宅要介護者を含め少しでも多くの人にワクチン接種がいきわたるようにという取り組みが日本各地で広く行われているのが現状です。
ワクチンだけではない!介護現場の感染対策
ワクチンを接種するのはもちろんのこと、介護現場では新型コロナウイルスの様々な感染対策が施されています。
介護現場での取り組みについて解説をしていきましょう。
1.日頃の感染対策による取り組み
介護現場で日頃行われている感染対策としては、対人間での接触が無い食事の準備などで配慮するなどがあります。
厚生労働省老健局が令和3年3月に発表した「介護現場における感染対策の手引き 第2版」を元に情報をまとめました。
積極的に道具を消毒をすることと、使い捨てにするものの衛生面に配慮しながら処理をすることが大切です。
■食事の準備をする場合
食事の準備をする場合においての注意点。
①マスク、エプロン、ゴーグル、フェイスシールド、使い捨て手袋をつけて配膳をする。
②アルコール入りのウェットティッシュで食卓を拭く
③最初に、利用者の手を洗う
④頭が後ろにならず、顎を手前に引いたし姿勢を保つ
⑤前掛けを付ける
食事の準備をする際には、衛生面に注意を払うことが大切です。
■食事介助の場合
食事を介助する場合には、対人間の要素が多いので注意が必要です。
①利用者の斜め後ろに座り、飲み込の様子を観察しながら介助する
②利用者に近づきすぎないように注意する
③言葉による会話を極力避ける
④うなずきサインなどのジェスチャーでコミュニケーションをはかる
⑤むせた時などは前掛けを使用し、介護職員は唾液を浴びないようにする
このように介護をする側も様々な注意が必要です。
■口腔ケアの場合
口腔ケアをする際の注意点。
①むせないように注意しながらうがいをする
②顔や口の周りを拭き取り、ティッシュをビニール袋に捨てる
③ビニール袋のふちに触れないように閉める
使い終わった道具の処理をどうするかがポイントです。
■排泄介助の場合
排泄介助の注意点。
①最初から後始末まで、手袋・マスク・エプロンを着用すること。いずれも使い捨て
②トイレの水は蓋をしてから流すことを徹底する
③使用後のポータブルトイレのバスケつは消毒
以上を徹底して行われています。
2.感染者等が発生した場合の対応
施設内で感染予防を徹底するのは当然ですが、仮に施設で感染者等が発生した場合は以下のような対応を取ります。
・感染者の入院までの調整
・感染者の発生した環境の消毒などの対応
・濃厚接触者のケア
・介護職員の健康管理を徹底する
以上の取り組みにより、施設内で適切に新型コロナウイルスに対応していくことが大切です。
また、不安が募ることから感染者と介護職員の両方で心理的なケアをすることも重要とされています。
介護従事者はワクチン接種で感染対策しよう
介護従事者自身の方のみならず、施設利用者にまでも感染リスクがあることから、ワクチンの4回目の追加接種は、感染拡大防止のためにも必要です。
世の中は新型コロナウイルスで混乱状態に陥っていますが、ワクチンの接種の進行・飲み薬の発表などで少しずつですが感染に関するリスクは下がっています。
また、全体的に新型コロナウイルスが出始めたころに比べると社会不安なども和らぎ、社会の状況はワクチンによって良くなっていると言えるでしょう。
苦しい状況が続きますが、可能な範囲で予防をする・適切な距離感で人と接するなどの配慮や工夫をして、このコロナ時代を乗り越えましょう。
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監修
あなぶきヘルスケア
事業部長 喜田 康生
平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。