記事作成日:2021年7月29日

RSウイルス感染症の流行が過去最高に

主に幼い子どもがかかるRSウイルス感染症と呼ばれる感染症が全国で広がっています。
幼い子どもがかかる感染症で、特効薬はなく1歳までに半数以上、2歳までにほぼすべての子どもが感染するとされていて、発熱や鼻水・せきなどかぜに似た症状が出ます。
感染経路としては、咳による飛沫感染や、鼻汁や痰などから手指や物を介して接触感染と考えられています。

香川県の感染状況

※香川県感染症情報疾病グラフ2021より

香川県でも第28週(7月12日~7月18日)の保健所定点当たり患者数は6.61人と過去10年と比較しても圧倒的に多く第27週と比べても倍近くの増加になっています。 かくいう筆者の子どもも2人がRSウイルスに感染、特に0歳の子どもは4日ほど発熱や咳・鼻水などの症状に苦しみました。(現在は回復しております)

RSウイルスの症状は?

通常RSウイルスに感染してから2~8日、大抵は4~6日間の潜伏期間を経て発熱や鼻水などの症状が数日続きます。
多くは軽症で済みますが、重くなる場合には、その後咳がひどくなったり、喘鳴が出たり、呼吸困難となるなどの症状が出現し、場合によっては、細気管支炎、肺炎へと進展していきます。

予防について

RSウイルス感染症にはワクチンがなく、特異的治療法もありませんので、感染しないよう予防を心がけることが大切です。

  • 手洗いを励行する。
  • マスクを着用する。
  • おもちゃや、手すりなどはこまめに消毒を行う。

「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と呼吸するなどの重症化のサインがあれば、夜間でもすぐに受診しましょう。

小児科医師によると・・・

例年、秋から春にかけて流行が見られるRSウイルスですが、今年は5月頃より患者さんが急増しています。
クリニックにも、熱、咳、鼻水のある小さなお子さんが毎日大勢受診されています。
年長児(3歳以上)の場合は、ほとんどが軽い咳や鼻水といった風邪症状のみで数日で自然に回復します。

しかし、新生児や乳児で、大量の鼻水や喘鳴(ゼイゼイ)で哺乳が出来ない時や、顔色が悪い場合は速やかな受診が必要です。
また、新生児や乳児期早期は呼吸休止(無呼吸発作)が出現することがあり、このような場合も速やかに受診してくだい。
早産の赤ちゃんや、生まれつき心臓に病気のある赤ちゃん、免疫力が低下した赤ちゃん、ダウン症の赤ちゃんがRSウイルスに感染した場合は重症化しやすいため、そのようなお子さんのいらっしゃるご家庭では特に注意が必要です。

参考

香川県感染症情報疾病グラフ2021
https://www.pref.kagawa.lg.jp/yakumukansen/kansensyoujouhou/hou/2021pdf.html

監修

しみずこどもクリニック 院長 清水 真樹 徳島大学医学部を卒業後、徳島、香川、愛媛の総合病院にて勤務。四国こどもとおとなの医療センター、高松赤十字病院を経て、2020年しみずこどもクリニックを開業。日本小児科学会専門医・指導医、日本腎臓学会専門医・指導医。
病院・介護ナビmilmil 掲載ページ | 公式サイト


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