記事作成日:2025年4月22日
なんだか気分が晴れない…それ、もしかして「5月病」かも? 原因と対処法を知る
新しい環境での生活が始まり、気づけば1ヶ月。
ようやく慣れてきた頃のはずなのに、なんとなくやる気が出ない、朝起きるのがつらい、理由もなく気分が沈む……そんな状態が続いていませんか?
それはもしかすると、「5月病」のサインかもしれません。毎年この時期に心や体の不調を訴える人は少なくありません。
特に4月から新生活が始まった方にとっては、慣れない環境での緊張やストレスが蓄積され、心が疲れてしまっている可能性があります。
今回は、「5月病」とは何か、なぜ起こるのか、そして5月病の乗り越え方について解説します。
5月病とは?その正体を知ろう
5月病は医学的な病気ではなく、学生や社会人が新生活が始まり1ヶ月ほど経った頃に、心身に不調があらわれる状態を指します。
ソフトバンク株式会社の子会社であるヘルスケアテクノロジーズ株式会社が全国の20~50代の会社員や公務員として働く男女1,200人を対象に行った「五月病に関する意識調査」によると、五月病になったことがあると自覚する人は5割以上という結果に。また、五月病になった経験がある人の中で、休職や退職に至った人はそれぞれ約3割にも上ることが判明しました。
5月病は新しい環境に適応しようと頑張った疲労やストレスが蓄積され、そしてゴールデンウィークの連休頃に気が緩み心身に不調をきたすのが特徴です。精神的な症状としては憂うつな気分や落ち込み、意欲の低下や無気力などメンタルヘルスの問題が挙げられます。一方、倦怠感や疲れやすい、不眠や食欲不振など身体的な不調をきたすこともあります。
▼参考
【全国1,200人の会社員に一斉調査】会社員の6割が深刻と考える「五月病」
なぜ5月病になるのか?主な原因を解説
なぜ5月病になるのか?考えられる原因としては以下が挙げられます。
- 新生活によるストレスと心の疲れ
- 4月の頑張りすぎが反動に
- ゴールデンウィーク明けの生活リズムの乱れ
- 理想と現実のギャップ
- 季節や気候の変化も影響する
それぞれの原因について解説します。
新生活によるストレスと心の疲れ
学生にとっては進学やクラス替え、社会人であれば就職や異動など、春は環境が大きく変わる季節です。
新しい生活が始まると、新しい人間関係が生まれ、これまでの生活リズムも変化していきます。
たとえば、学生時代は夜型の生活をしていても問題なかった人が、社会人になって急に朝型の生活を求められる場合があります。
逆に、夜勤やシフト制などで夜型に変わるケースも少なくありません。
私たちはもともと“体内時計”があり、それぞれ自然なリズムを持っています。
しかし、新生活ではそのリズムを無理に社会に合わせなければならず、その結果、自律神経のバランスが乱れ、一時的に心身に不調をきたすことがあるのです。
4月の頑張りすぎが反動に
4月は新しい生活のスタートなので、少し張り切ってしまう人も多いことでしょう。
新しい人間関係に合わせて学生は学校行事が生じることがあり、社会人は普段は慣れない飲み会に参加する機会もあるかもしれません。
ここで頑張りすぎてしまい、普段の自分のキャパシティを超えて明るく振る舞ってしまったり、無理して付き合いを良くしすぎてしまい自分の生活リズムを乱してしまう場合があるので要注意です。
ゴールデンウィーク明けの生活リズムの乱れ
ゴールデンウィークは、多くの人にとって非日常を味わえる特別な時間です。
旅行に出かけたり、自宅でのんびり過ごしたりと、思い思いの過ごし方ができるでしょう。
ただし、長い休みを満喫したあとの現実とのギャップは、気持ちに大きな影響を与えることがあります。
「あの楽しい日々に戻りたい」「また忙しい日常か……」と感じることは自然なことです。
また、休暇中に生活リズムが崩れてしまうと、連休明けに心身のだるさややる気の低下を感じやすくなります。
できるだけ普段と同じ時間に起き、決まった時間に食事を取るなど、休み中でもある程度のルーティンを意識することが、5月病の予防につながります。
理想と現実のギャップ
新生活が望み通りの環境に入れなかった人もいれば、望み通りの環境に入れたのに思っていたのと違ったということで落ち込む人もいます。
受験や就職活動を頑張ってやっと手に入れたはずの新しい環境。
けれど、実際に生活してみると、思っていたのと違う現実に戸惑い、気持ちが落ち込んでしまうことがあります。
季節や気候の変化も影響する
自律神経が敏感な人は、気候の影響を強く受けやすいため、なんとなく体がだるい、眠れない、頭が重いといった症状が現れることも。
とくに春から初夏にかけてのこの時期は、寒暖差が激しく、天気も不安定で、心身に不調をきたす人も少なくありません。
5月病になりやすい人の特徴とは
5月病になりやすい人の特徴として4つの性格傾向があります。
- 責任感が強く、まじめなタイプ
- 人に気を遣いすぎる人
- 完璧を求める「理想が高い」人
- 感情をため込みやすい内向型の人
以下でそれぞれの性格傾向について解説します。
責任感が強く、まじめなタイプ
責任感が強く、まじめなタイプの人は周囲の人からの頼み事などにNoを言えず、様々な問題を抱え込むことがあります。
気がついたら学級委員長を押し付けられていた、入りたくない部活に勧誘されて断れなかった、残業は厳しいのに仕事を押し付けられたなど、世の中には逆に押しつけがましい図太い傾向の人がいます。
人に気を遣いすぎる人
周囲の人に気を遣いすぎる人は気が病む傾向にあります。
また自分の気持ちをうまく言葉にできず、感情を抱え込んでしまう人も、5月病になりやすい傾向があります。
人に気を遣えるというのは、とても素敵な長所です。
相手の気持ちを想像し、余計なことを言わず、場の空気を読んで行動できる、そうした姿勢は、まさに“大人の対応”といえるでしょう。
しかし、その分、自分の気持ちを後回しにしがちで、知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでしまうこともあります。
特に、周囲の秩序を乱すような人がいると、その振る舞いに心を乱されやすい傾向も。
完璧を求める「理想が高い」人
「理想が高い」完璧主義の人は消耗しやすいです。
目標に向かって努力できる、自己管理ができる、常にベストを尽くそうとする。
そうした“理想の自分”を目指す完璧主義の人は、とてもストイックで魅力的です。
ただし、「いつも完璧でなければ」と自分を追い詰めてしまうと、心も体もどんどん疲れていってしまいます。
たとえば、良い成績を維持するために睡眠時間を削ってしまうなど、健康を犠牲にしてしまうのは本末転倒です。
5月病の対処法とメンタルケアのポイント
5月病を予防・改善するには、心と体のケアをバランスよく行うことが大切です。
無理に気合いで乗り切ろうとせず、日々の習慣を見直してみましょう。
ポイントとしては以下が挙げられます。
-
生活リズムを整える
睡眠・食事・運動のバランスを意識し、日中に軽い運動を取り入れる -
セルフケアを習慣化する
気持ちを紙に書き出す、音楽や香りでリラックス、自分をいたわる時間を持つ -
信頼できる人に相談する
一人で抱え込まず、相手への配慮も忘れずに相談することが大切 -
専門家に頼るのも選択肢
心が限界を感じたら、メンタルクリニックやカウンセリングの活用も検討 -
「そういう時期もある」と受け入れる
自分を責めすぎず、マイペースで前に進む姿勢が大事
焦らず、自分に合った方法で心身を整えていきましょう。
自分を責めず、少しずつ心を軽くしていこう
「5月病」は、誰にでも起こりうるごく自然な心と体の反応です。
真面目に頑張ってきたからこそ、少し疲れが出てしまっただけかもしれません。
大切なのは、「自分だけが弱いんだ」と思い込まず、まずは自分の心の声に気づいてあげること。
生活リズムを整え、無理をしすぎず、必要なら誰かに頼る勇気も持ってみましょう。
監修
あなぶきヘルスケア
事業部長 喜田 康生
平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。
現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。